老夫婦とロバと、わたしたちの“誰の声を聞くか”問題
こんにちは!
今日は「老夫婦とロバの話」から、ちょっと考えたいことがあったので、その話を書いてみようと思います。
きっと聞いたことがある人も多いかもしれません。あの有名な寓話ですね。
「老夫婦とロバの話」って?
昔むかし、あるところに、老夫婦と一頭のロバがいました。
最初はおじいさんがロバに乗っていて、おばあさんは歩いていました。すると、通りがかった人が言いました。
「なんて男だ、年老いた奥さんを歩かせて自分だけ乗ってるなんて!」
それを聞いた老夫婦は、今度はおばあさんがロバに乗ることにしました。すると、また別の人が言いました。
「女性がロバに乗って男を歩かせるとは、けしからん!」
じゃあ、ということで、今度は2人ともロバに乗りました。するとまた言われます。
「かわいそうなロバだ、2人も乗せて重すぎる!」
それならば、と2人ともロバから降りて歩き始めました。すると今度は……
「ロバがいるのに、なぜ誰も乗らないの?」
最終的に、老夫婦は途方に暮れてしまいました。
「みんなの意見を聞こう」は、たしかに正論です。でも……
この話、なんとなく「ああ、人の目ばっかり気にしてたらキリがないよね」っていう教訓っぽく捉えられがちです。
でも現実って、そんな単純じゃないですよね。
「人の目なんて気にするな!」って言う人、よくいます。
でも、全部無視できるかっていうと、ちょっと難しいです。たとえばSNSで何か発信するとき。会社の飲み会で何を話すか考えるとき。誰かの反応って、どうしても気になります。
なぜなら、「人の意見」って、時に私たちの安全や評価に関わるからです。
とはいえ、振り回されすぎると苦しくなります
この話の老夫婦、たぶん最初はただ「どうしたらいいかな?」って考えてただけだと思うんです。
でも、どこまでいっても“誰か”が文句を言ってくる。
そして「じゃあ、次はこうしよう」「やっぱりこうか?」ってぐるぐるし始めて、気づけば自分のやりたいことも見失っていく。
これ、私たちの日常にもよくある話です。
上司の期待、親の言葉、SNSの“いいね”の数。それらに合わせているうちに、自分が本当はどうしたいのか、わからなくなることってありませんか?
「誰の声を聞くか」を選ぶことが大事です
じゃあ、どうすればいいの?って話なんですが、正解があるわけではありません。
ただ、「全員の意見に従うこと」は、現実的に無理です。
だからこそ、「誰の声を聞くか」を、自分で選ぶことが大事だと思っています。
たとえば、「自分が尊敬してる人だけのアドバイスを聞く」とか、「過去の自分が納得できるかを基準にする」とか。
たった一つでも、「これは信じたい」と思える基準を持つと、少しだけ世界のノイズが減っていきます。
というわけで、ちょっと疲れたときには
「老夫婦とロバ」の話を、思い出してみるのもいいかもしれません。
人の目って、ついつい気になってしまいますよね。
でも、全部に応えていたら、ロバからも降りてしまいます。
ときには「自分の気持ちを優先してもいいかもな」と、そんなふうに思えたら。ちょっとだけ、心が軽くなるかもしれません。