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LogicPad 開発秘話

「コードは書けないけど、ロジックはある人」にツールを。LogicPadを作った理由

こんにちは、kenjiです。ローコードツール「LogicPad」を作った作者です。 今回はプロダクトの紹介ではなく、「なぜこれを作ろうと思ったのか?」という開発の裏側、そして僕自身の思いについて、少しパーソナルな視点から書いてみたいと思います。

正直、これは単なるツール開発ではありませんでした。 自分の過去、職場のモヤモヤ、スキルセット、そしてずっとくすぶっていた“いつか自分のプロダクトを作りたい”という想い―― それら全部が重なった結果、生まれたのがLogicPadです。

つまり、これは僕にとっての“人生の集大成プロジェクト” でもあります。 そんな背景を、できるだけ素直に、熱量込めて書いていきます。


「これは自分が作った」と胸を張って言えるプロダクトがほしかった

正直に言うと、これが一番最初の動機でした。

昔から、仕事でも趣味でもコードを書くのが好きでした。いろんな開発にも関わってきました。 でも、ある日ふと気づいたんです。 「自分の名前で、自分の責任で、世に出したプロダクトがない」 って。

もちろん、チームで作るものには価値があるし、誇れる仕事もたくさんありました。 でもどこかで、「このまま、誰かの名前の下でキャリアを終えるのかな」という虚無感もあったんです。

一度でいい。 「これは自分が作った」と胸を張って言えるものを残したい。 そう思って、LogicPadの構想を練り始めました。6年くらい前のことです。


コードが書けないから手を出せない。それってもったいなくない?

僕の職場には、優秀な人がたくさんいました。

ロジックは組める。Excelの関数も自在に使いこなすし、問題の本質も見抜ける。 でも――「コードを書く」という段階で、手が止まってしまう。

「この作業、毎回手順書を見ながらやってるけど、自動化できませんかね?」 「うん、できるよ。でも…それにはコードを書かないとね…」

そんな会話が何度もありました。

僕はそのたびに思っていました。 「ロジックはわかってるのに、コードという壁で止まってしまうのは、本当にもったいない」と。


ローコードエディタ、という選択肢

実は前職では、GUI操作で動く2次元CADの開発をしていました。 CADって、マウスを使って図形を組み立てていくじゃないですか。 つまり、「操作でロジックを組み上げる」 という世界観なんです。

「これ、ローコードとめちゃくちゃ相性いいな」と思いました。

さらにさかのぼると、学生時代からずっと画像処理や数値処理、Windowsツール、SNS自動投稿ツールなど、 思いついたらすぐコードを書いて、小さなプログラムを量産していました。 600個以上はあると思います。今もGitHubに残っています。

当時は意味なんて考えていませんでした。 ただ「作りたいから作る」。それだけでした。

でも今、LogicPadを作っていると…

まさに、点と点が線でつながった気がしたんです。


使いやすい、でもパワフル。バランスの難しさ

開発を進めるうえで、ずっと考えていたのが 「直感的に使えて、かつちゃんと強いツールにする」 ということ。

機能を足せば、できることは増えます。でも、使いづらくなる。 シンプルにすれば、誰でも触れる。でも、それじゃ物足りない人も出てくる。

「ローコードツールって、おもちゃでしょ?」って言われないように。 でも、「結局コード書かないとダメじゃん」とも言わせないように。

直感と表現力、そのギリギリのラインでずっと戦っていました。

何度もUIを作り直して、何度も捨てて、 そしてようやく「これならいける」と思える形に近づいたときは、本当に嬉しかったです。


初めての「ユーザー」のひと言に救われた

初めてLogicPadを渡したのは、元同僚でした。 ITは苦手、コードも怖い。でも、ロジックは得意。

少し説明して触ってもらって…数分後に言ったひと言が、今でも忘れられません。

「これなら、私でもできそう!」

もうね、泣きそうになりました。 僕があげたかったのは、これだったんだって。

動くツールじゃなくて、「自分で作れた!」という感覚。 それこそが、LogicPadの真の価値なんだと確信しました。


作れる人が増えると、社会はもっと面白くなる

僕は「技術の民主化」が本当に重要だと思っています。

技術には、世界を変える力があります。 でも、それを扱える人は限られている。

もし、「ロジックがわかる」だけでアプリが作れたら?

もっと多くの人が、「作る側」に回れるようになる。 そして、そこから生まれるものは、今の想像を超えると思っています。

LogicPadが、その入口になれたら。 「作ってみたい」を「作れる」に変えるツールでありたい。

それが、僕の願いです。


おわりに

LogicPadは、まだベータ版で完成ではありません。 改善点も、やりたいことも、まだ山ほどあります。

でも、僕はこのツールに自分の人生の“点”を全部注ぎ込んでいます。 今なら胸を張って言えます。

「これは、自分が作ったプロダクトだ」 と。


👇おまけ:LogicPadでできること

  • ドラッグ&ドロップで処理を構築
  • 条件分岐や変数などもGUIで扱える
  • 多様なAI連携ノードを用意
  • スクリプト挿入で上級者向けの拡張も可能
  • 高精度の数学関数・データ処理(無限桁精度の数値演算など)
  • 上級者向けにショートカットキーも充実
  • 90カ国以上の言語に対応

これからやりたいこと

  • AIと連携して自然言語からロジックを生成
  • ユーザーがカスタムノードを作成できる仕組み
  • 作成したノードやロジックを共有できるプラットフォーム構築

✍️あとがき

ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます。 これはただのツール開発ではなく、僕自身の経験、情熱、人生の断片を注ぎ込んだひとつの挑戦でした。

「コードは書けないけど、ロジックはある」 そんな人たちが、自分の力で “作れる”ようになる未来。 それを、これからもLogicPadを通して目指していきたいと思っています。

もし少しでも「使ってみたい」と思っていただけたなら、それだけでとても嬉しいです。 興味が湧いた方は、ぜひ LogicPad を試してみてください。

そして、使ってみた感想や気づいたことがあれば、どんな小さなことでもかまいません。 あなたの声が、このプロダクトの次の一歩をつくる大きな力になります。

これからも、よろしくお願いします。

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