ケプラー予想をわかりやすく解説!〜スイカを一番ぎっしり詰める方法〜
こんにちは、kenjiです!
今日は「ケプラー予想」っていう、ちょっと難しそうな名前の数学の話を、できるだけわかりやすく説明してみたいと思います。
一見、めちゃくちゃマニアックな話なんですが、「スイカを箱にぎっしり詰めるにはどうしたらいいか?」という、わりと身近な問題でもあるんですよね。コンビニの冷蔵庫にも関係があるし、荷物の積み方にも関係ある。
そして、数学の世界では、これがなんと400年以上も証明できなかったという、超・ロマンある話でもあります。
ではいってみましょう!
そもそもケプラーって誰?
まず、「ケプラー予想」の「ケプラー」って誰?という話なんですが。
これは、ヨハネス・ケプラー(Johannes Kepler) というドイツの天文学者・数学者の名前です。
この人、めちゃくちゃすごい人でして。 たとえば、惑星の軌道が楕円(だえん)になっているってことを発見したのもこの人。今では当たり前の知識ですが、当時(1600年頃)は地動説すらちゃんと信じられてなかった時代なんですよ。
- ガリレオ=観測の天才
- ケプラー=数式で宇宙を説明した天才
- ニュートン=その理論を物理法則にまとめた超天才
みたいな位置づけで、ケプラーは「数式で宇宙を語る」っていう先駆者でした。
で、そんな彼が、ある時こう言い出します。
ケプラー予想ってなに?
「ケプラー予想」とは、簡単にいうと、こういう話です。
同じ大きさの球(スイカやオレンジ)を箱に詰めるとき、どの並べ方が一番ぎっしり詰められるのか?
っていう問題。
で、ケプラーが1600年代に予想したのが
オレンジを八百屋で並べるみたいに、三角形っぽく積むのが一番効率いいんじゃない?
ってこと。
これを数学っぽくいうと、「最密充填問題(さいみつじゅうてんもんだい)」といって、球を空間に一番密に敷き詰める方法を探す問題なんですね。
ケプラーは、「面心立方構造(FCC)」っていう並べ方(スイカを三角形に積むような感じ)が一番効率がいいと予想しました。
で、これ、みんな「たしかにそれっぽいね〜」とは思ってたんですが、数学的に「絶対にこれが一番だ!」って証明するのがめちゃくちゃ難しかったんです。
証明まで400年!?!
じゃあ、実際にそれが証明されたのはいつかというと…
なんと1998年〜2005年ごろです。 つまり、400年近くも誰も証明できなかったんですね。やばすぎる。
しかも、証明したのはアメリカの数学者トーマス・ヘイルズ(Thomas Hales) という人。
この人、手計算だけじゃ無理と判断して、コンピューターを使って証明しました。 ただ、その証明があまりに複雑すぎて、人間がちゃんとチェックできない!という問題が発生。
そこで、数学の世界でも「じゃあ、コンピューターで証明したのって本当に信用できるの?」という大論争が起きました。
結局、「コンピューターを含めて厳密に検証したよ!」という証明(正式には「形式化証明」といいます)が完了したのは2014年。
つまり、ケプラーの直感が正しかったと証明されるまで、400年以上かかったというわけです。すごいロマン。
実生活でもめっちゃ使われてる
「球をどうやって並べるか」なんて、数学オタクだけの話かと思いきや、実は超実用的です。
- コンビニの冷蔵庫でドリンクを効率よく詰める
- 缶詰を輸送用パレットに積むとき
- 通信(デジタル信号の圧縮とか)にも応用されている
- 3Dプリンターや結晶構造の設計にも使われる
などなど、実は僕たちの生活の裏にゴリゴリ使われてる理論です。
まとめ:人間の直感ってすごい
というわけで、まとめます。
- ケプラー予想=球を一番ぎっしり詰めるにはどうする?という問題
- ケプラーさん=惑星の軌道を発見した数学・天文学者
- 予想されたのは1600年代!でも証明されたのは2000年代!
- 実生活にもめっちゃ応用されてる!
そしてなにより面白いのは、 「八百屋さんが感覚でやってた積み方が、数学的にも最強だった」 という点。
つまり、人間の直感ってすごい。 そして、それを証明するのに400年かかることもあるっていうのが、なんともロマンのある話ですよね。
興味を持った方は、ぜひ「トーマス・ヘイルズ」「形式化証明」「Sphere Packing」なんかで調べてみてください。深掘りするとめちゃくちゃ面白いです。
ではでは!
[PR]